夢研究会

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「肝」と「怒」の関係

 春は肝の季節と言われ、養生することが大切です。春の天候は三寒四温で気温の変化や環境の変化(進学・就職・人事異動・転居)によるストレスも重なります。ストレスによる神経疲労も起こしやすいため、「肝」への負担が大きくなります。そのため、ストレスが溜まりやすく、不安感、イライラ、やる気が出ない、落ち込むなど情緒不安定な気持ちになりやすいです。また「肝」の経路である目にも影響が出て、目の充血ゃ眼精疲労などの症状も出やすくなります。

「怒り」の感情について

 怒りは「防衛反応」といわれており、身の危険を感じた時や自分を守るために自然に現れる生存本能です。目の前の敵と戦うか逃げるのかという選択を迫られ、脳からアドレナリンを分泌する時に発生するもので、生きていくうえでは必要な感情です。

 また怒りは「二次感情」ともいわれています。カッとする根底には苦しい、寂しい、不安、悔しいなどのストレスやネガティブな一次感情が潜んでいます。それが溜まって爆発すると怒りに変わります。さらに、こうあるべきという自分の価値観の現れでもあり、怒りの根底には自分の価値観を理解してほしいとの感情が隠れています。怒りの感情は誰にでも自然に起こるものであり、生き物に原始的に備わっています。その感情はなくすことができないので、自分で上手にコントロールしていくことが大切です。

「肝」と「怒」の関係

 東洋医学における「肝」は西洋医学の肝臓とは異なり、全身の気の流れ、血液の貯蔵や調節、精神活動を司る役割をします。

1 . 感情との繋がり

 東洋医学の五行説では、五臓「肝・心・脾(ひ)・肺・腎」と五つの感情(怒・喜・思・悲・恐)が結びついています。「肝」は「怒」と深い関係で結びついています。

2 . 相互作用

・過度な怒りの感情は肝の働きを低下させ、肝を傷つけます。怒りの気は肝の経路を通って頭に上昇します。

・肝の機能が低下すると、イライラしやすくなったり、怒りっぽくなります。

・ストレスによってうまく感情が発散できないと肝臓の辺りが緊張しやすくなります。

3 . 「肝」の働きが弱ると出やすい症状

 肝の働きが弱ると、気の流れが滞ります。そうなると脇の痛み、腹部の張り、ため息が多い、気分の落ち込み、イライラなどの症状が出やすくなります。肝の血が不足すると、めまい、耳鳴り、爪がもろくなる、視力低下、手足の痺れなどが起こりやすくなります。また、良く怒る人は眉間のシワが深くなる原因にもなるので、できる限り笑うよう心がけましょう。

 

「肝」の働き

 

1 . 気の流れの調整

 全身の「気」「血」「水」をスムーズに巡らせる役割=疏泄(そせつ)があります。自律神経を整え、ストレスを解消する作用が含まれます。肝の働きが低下すると気の巡りが悪くなり、情緒不安定やイライラに繋がります。

2 . 血の貯蔵と調整

 血液を貯蔵し、必要な時に全身へ血液を供給する働きがあります。肝血が不足すると、各所の生理活動が不十分になり、循環器系の症状が出血がしやすくなることがあります。

3 . 感情の調節

 前述にもありますが、怒りやイライラは肝に影響を与えます。肝の不調は感情の乱れとして現れる事があります。

アンガーマネジメント

 怒りを上手にコントロールする方法として、アンガーマネジメントをご紹介します。ご自身に合った方法で試してみてください。

① 6秒ルール

 怒りを感じた最初の6秒が感情のピークだと言われています。この6秒間を我慢することで、冷静さを取り戻し、衝動的な行動を避けることができます。

②深呼吸をする

 怒りを感じた時に複数回深く息を吸い、ゆっくり吐きながら気持ちを落ち着かせます。5秒ゆっくり吸って、5秒かけて吐く呼吸法がおすすめです。息を吐く時は副交感神経が優位になります。深呼吸は自律神経や精神情緒を整え、体内の水分代謝も活性化されます。

③その場から離れる

 カッとなってイライラする自分に気づいたら、その場から離れて落ち着くまでの間、別の場所で過ごすことも有効です。

④思考を断ち切る、受け流す心

 意外と難しいですが、頭の中で思考をリセットして〇〇〇のためだと考え方を変えられれば少し、気持ちが楽になります。また、些細なことはまあいいかと軽く受け流すことも人間関係を築く上で大切です。

⑤思考のコントロール

 「~すべきだ」と相手に押し付けることで相手との摩擦が生じます。人にはそれぞれ考え方や価値観があります。~すべきだというのは自分の考え方であり、周囲が同じような考えや価値観であるとは限りません。どうしても譲れない自分のこだわりは価値観を押し付けるのではなく、柔らかい表現に変えて要望を伝える努力をすることで相手の理解が得られやすいかもしれません。押し付けるのではなく、伝えるという表現が合っているかもしれません。

「肝に良い養生」

《肝に良い食べ物》

 それは肝臓に負担がかからない食べ物です。具体的には、脂っこくない、濃い味ではない、辛い食べ物で消化吸収しやすく無添加または添加物が少ないものです。また栄養バランスの良い食事をすることが大切です。

・気の巡りを助ける食材・・・香味野菜、柑橘類、ナッツ類

 イライラしたり、怒りっぽい時は香味野菜がおすすめです。春菊、シソ、ニラ、セロリ、ミントなどの香味野菜はイライラを鎮めて気持ちを落ち着かせる効果があります。心を穏やかに安定させたいときはナッツ類が良いです。

・気血を補い自律神経の働きを良くする食材

 赤身のお肉、レバー、ナツメ、クコの実、黒ゴマ、人参など。

・鎮静、睡眠作用のある食材

 アーモンド、ピスタチオ、くるみなどのナッツ類は睡眠ホルモンであるメラトニンが多く含まれています。また、マグネシウムや亜鉛も含まれているので、身体の様々な機能調節に関わっています。ハーブティ、ラベンダー、カモミールなども鎮静作用の効果が期待できます。

《食事以外の方法》

・声を出す、歌う

 声を出すと肺気が通りやすくなります。スポーツ観戦やコンサート、カラオケなどでしっかり声を出しましょう。

・有酸素運動や筋肉を動かす

 筋肉を動かすことで肺気が巡りやすくなります。ストレッチ体操や散歩などご自身が続けられる方法を見つけましょう。虚弱体質の方はゆっくり歩くだけで効果があります。有酸素運動であればジョギングやヨガもおすすめです。

・汗をかく

 発汗は肺気を通し、ストレス発散になります。サウナや岩盤浴など身体に負担をかけて無理に汗をかくのではなく、無理のない運動によって気持ち良い汗をかくことが良いでしょう。

・笑うこと

 笑うことは脳の神経伝達物質であるセロトニンが活性化され、心が穏やかになります。笑いは交感神経が促進し、その後は急激に低下することによりリラックス効果をもたらします。交感神経と副交感神経のスイッチが頻繁に切り替わることで、自律神経のバランスが整います。

・太陽光を浴びる

 太陽光を浴びることで、セロトニンの分泌が良くなります。ストレスの軽減や自律神経の調整、睡眠の質の向上にも効果があります。

・紙に書きだしてみる

 怒りの原因を紙に書き出すことで原因が追究できます。また、それを破り捨てることで気持ちが楽になるかもしれません。

まとめ

 怒った後に振り返ってみるとそこまで怒るほどのことでもなかったのにどうしてあんなことを言ってしまったのだろうと後悔することがきっとあると思います。怒りの原因はさまざまですが、ついカッとなって相手を傷つけてしまうと人間関係にヒビが入ってしまって修復が難しくなることもあります。自分は怒りやすい、短気な人間なんだと思う人はアンガーマネジメントを実践してみてください。態度や言葉に表す前に自分の心の中で整理することで心に余裕が生まれます。怒るより、笑って過ごす人生を目指しましょう。

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